ドイツ語
Guten Tag!
法学部におけるドイツ語について
今の自分が何なのか、社会が何なのかを知るためには、ドイツ語でいわゆる名著と呼ばれるものを読むべきだとはすでに書きました。
でも、過去だけ知っていても仕方がないことも事実です。世界は刻々と変わっていきます。ドイツは、世界という視点から眺めても、存在感がある国なので、そこで今何が起きているかは、現代の知的な人間ならある程度知っていたほうがいい。環境問題、エネルギー問題、それに国際政治、経済・・・。日本の視点、アメリカの視点、ヨーロッパとひとことで言ってもフランスやイギリスとは異なる視点、それもまたこれからの、おそらくはそうは平穏ではない世界を生きていかねばならないあなたにとっては大事な情報でしょう。またピンとこないでしょうが、就職してダイレクトに社会と関わるようになったとき、痛感すると思いますよ。
と同時に、矛盾するようですが、社会とダイレクトに関わりたくないがゆえに、そして哀しき「現在」を忘れるために、過去の文学に逃避するという方向もあります。赤紙=召集令状を受け取った旧制高校の生徒たちが、ポケットにこっそりしのばせていたのは、古いドイツの詩集だったりしたのです。
あるいは、破滅的で悲痛な小説、壮麗で美しいクラシック音楽、大胆で独創的な20世紀美術、モダニズムの現代建築・・・ドイツ語はそういうものをよく知るための助けにもなります。
勉強においては、つまるところ、やる気が一番大事です。コースがどちらでも、また何語を選んでも、やる気がなければどうしようもありません。シンプルにして残酷な真実です。勉強したくない人、楽な授業を選んで楽に卒業したい人は、大学に来なくていいよ。それが大学教員の本音です。また、誤解している人が多いのですが、学ぶことが好きなことと、よい点を取るのが好きなことは、まったく別のことです。
語学力は筋トレみたいなもので、量を増やせばますます鍛錬されますが、やめたとたんに衰えていきます。プロになるのでなければ、週にひとつでもいいから、だらだらでいいから、長くやるのがいい。細く長くで大いに結構。気づいたら、あ、意外とできるようになっているぞ、というのでいい。
レギュラーコース
週に2回授業があります。1年生では文法を一通りやります。2年生では、自分で授業を選べます。文学作品が読みたい人はそういう授業、会話がやりたい人はそういう授業、時事ネタが読みたい人はそういう授業・・・好きにしてください。好きにできるのが売りなので。
三田でも勉強したい人は、やれます。
インテンシブコース
週に4つも授業があります。レギュラーコースの倍です。1年生は、そのうち3回が文法、1回がネイティヴの先生による会話です。2年生になっても、週4つは変わりませんが、ネイティヴな授業が増えます。回数が多いので、当然、レギュラーより負担は増えます。しかし、力はつきます。
3年生からあとも三田で授業があります。自分の都合で選んでください。
しゃべったり、書いたり、ドイツ語で積極的に何か主張したい人はこちらのコースをどうぞ。
検定試験について
英語と同じように、いくつもの検定試験があります。テストがやりがいにつながる人はどんどん受けましょう。また、留学を考えている人も受ける必要があります。
検定試験の特徴や詳細については、入学後に教員に相談してください。
ドイツ語の特徴
Special features of German
ドイツ語は英語の親戚です。単語も文法も英語に似ている部分がずいぶんあります。でも、英語より細かい。そこがおもしろい。ノリだけではすまないので。ドイツ語ができるようになると、英語が簡単に思えてくるという事実は間違いなくあります。
外国語はブロークンでも通じればいいじゃないかという考え方もあって、それが必ずしも間違っているわけではないけれど、大学で教えているのは、知的な人にふさわしい外国語能力なので、気合で通じればいいだろう、ではすみません。
ドイツ語を履修する学生はまじめなタイプが多いです。だから、教員は比較的幸せです。もっとまじめだと、もっと幸せですが。
それと、言葉は、言葉だけ学んでも本当のところはわからない、というか全然わからないものなので、文化なども意識しないといけません。