ロシア語
Здравствуйте!
法学部におけるロシア語について
(左上)北ロシアで見るオーロラ(左下)チェーホフを演じる
(右上)1年生授業風景(右下)伝統木工品
法学部では、いろいろな方面で明日のロシアと日本の関係に関心を持ち続ける人材を育成したいと思っています。
ご存じのように、両国間には領土問題をはじめとする政治的な懸案事項があり、経済的な協力関係も発展途上です。法学部出身者として、将来こうした事柄に関わる人もいるでしょう。ロシア文学や音楽に興味を持っている人、スポーツが大好きな人、とにかく旅行に行ってみたい人もいることと思います。そんな多様な希望のいずれにも必要なのが、基礎的なロシア語の読み書きと会話の能力です。
法学部では、1、2年生の間に初級から中級程度のロシア語の能力を獲得し、3、4年生では新聞やニュース、小説や映画など生の素材に挑戦できる、体系的な授業を用意しています。もちろん話すことにも力を入れています。どこまで達成できるかは本人の頑張り次第ですが、4年間を通して豊富な授業がバランスよく用意され、その気さえあれば学び続けられるのが法学部ロシア語の自慢です。
ロシア語の授業は全員ゼロからのスタートです。特に既習者用のクラスはありません。ロシア語を以前かじったことがある人はインテンシブコースでしっかり身につけ、自由に使えるレベルの人は必修としては他の語学を選ぶことを進めます。既習者がロシア語の力をキープするためには、ネイティブの先生の授業を選択するのがいいでしょう。日吉での2年間は、レギュラーコースでは週2回ずつ、インテンシブコースでは週4回ずつロシア語を学びます。三田に進んでからも、どちらのコースを終えた人でも選択することのできる多様な授業があります。
レギュラーコース
1年次では週2回、日本人の先生のもとで文法を中心に勉強しますが、うち1回はCALL教室で会話やパソコンでのロシア語入力も合わせて学びます。自己紹介や定型的な会話表現ができ、準備すれば自分の体験や予定について話せるようになりましょう。
2年次では、週1 回は日本人の先生の授業で文法と講読を中心に学び、もう1回はネイティブの先生のクラスで会話と作文の練習をします。自分の話したいこと、書きたいことがロシア語で表現できるように頑張りましょう。
これら必修の授業に加えて外国語教育研究センターの「ロシア語表現技法」を各学年週1コマずつ合わせて履修すると、よりアクティブにロシア語を使うことができるようになるでしょう。
三田でも自分のペースでロシア語の勉強を続けます。レギュラーコース専用の「ロシア語第Ⅴ」のほか、外国語教育研究センターの「ロシア語聴解」、政治学科の「文献講読」が選択できますし、インテンシブコース設置の授業も1コマから履修できます。
→「英語以外の語種の選択肢(コード)一覧表」での選択肢は「ロシア語」
インテンシブコース
1年次では、週2回日本人の先生のもとで文法を学び、あとの2回は日本人とネイティブの先生のリレーで会話、作文、聴解のトレーニングをします。宿題や試験は大変ですが、少人数でネイティブの先生から発音や作文の丁寧な指導を受けられるのが魅力です。
2年次では、4人の先生による文法・会話・聴解・講読の授業がバランスよく行われます。ロシア語能力検定試験の3級に合格するだけの力はつきますし、ロシアへの短期留学や長期留学を目指して実践的なトレーニングを積むのもいいでしょう。
三田に進んでも、インテンシブコースにはロシア語の科目が4つ設置されており、テレビやラジオ番組を視聴したり、ネット上の資料を読んだり、芝居をしたりします。これに外国語教育研究センター特設科目「ロシア語聴解」と政治学科設置の「文献講読」を加えた計6コマから各年3コマの単位を取得すると、「インテンシブ修了証」の申請資格ができます。インテンシブコースを修了し、かつその必要単位がすべておSよびAの場合は、卒業時に「外国語成績優秀者表彰」が贈られます。
→「英語以外の語種の選択肢(コード)一覧表」での選択肢は「ロシア語インテンシブ」
カリキュラム
Curriculum
検定試験について
学外の検定試験には、日本国内で広く通用している「ロシア語能力検定試験」とロシア連邦教育科学省が行う「ロシア語検定試験」(ТРКИ)があり、前者は3級合格が一応の目安です。後者は主に留学を目指す人が受験しています。いずれも慶應義塾大学法科大学院の外国語能力証明として有効ですし、就職の際にロシア語の能力を証明する材料になるので、積極的に挑戦してください。
ロシア語の特徴
Special features of Russian
- ■文字と発音
- ローマ字にない文字は… Б, Г, Д, Ё, Ж, З, И, Й, Л, П,Ф, Ц, Ч, Ш, Щ, Ъ, Ы, Ь, Э, Ю, Я…意外と多いww
ローマ字にあるけど意外な音をあらわす文字は…В, Е, Н, Р, С, У, Х…さあなんと読む?
あとは大体読めます…!アクセントがあったら強く、ちょっと長く発音します。
- ■文法
- ありとあらゆる名詞は「男性」「女性」「中性」に分かれます…が、形からすぐ判別できます。
名詞類は「格変化」によって文中での役割を明確に示しています…何しろ主格・生格・与格・対格・造格・前置格、と6格もありますから!
動詞類は英語と同じく主語によって形が変化します…が、英語よりちょーっと細かいです。
- ■つまり…?
- 文字を知らないと絶対に読めないけれど、数時間の勉強で読めるようになる!
文法的に覚えることが沢山あって大変だけれど、その分構文が明快で、解釈に迷うことが少ない!
というのがロシア語です。
クラスの特徴
Characteristics of the classes
ロシア語のクラスはたいてい少人数。ゆえに学生どうしはすぐに親しくなりますし、先生ともたくさん話ができます。
ちょっと変わった人や面白い人が多いのも、ロシア語ならでは?
みんな最初に「ロシア名」をもらって「ミーシャ!」「サーシャ!」と呼び合っています。ハンドルネームとしても便利です。
年に一度のロシア語フェスタが近づくと、クラスのみんなで出し物を練習したり歌を歌ったり、さながらプチ文化祭。
ロシア語を通じて充実した大学生活を送ることができるかもしれません。
教員紹介
Faculty
日吉でロシア語を担当している先生です。
三田ではロシア語通訳士の北川和美先生、言語学の後藤クセーニヤ先生も加わります。
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ロシア語責任者。各種手続きや履修の相談にものります。ロシア語のほか、地域文化論や人文研究会も担当。
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文法の初級クラス、聴解のクラスを担当しています。
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初級・中級の会話と作文の授業を担当しています。
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中・上級クラスを担当しています。
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中・上級クラスの会話と作文を担当しています。
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インテンシブコースの授業を担当しています。
留学について
塾派遣交換留学生としては、国立モスクワ大学と国立サンクトペテルブルグ大学に毎年各1名が留学するチャンスがあります。
また、ロシアやロシア語圏のいろいろな大学が留学生を募集しており、これに応募して1年間や半年間の私費留学をする人も毎年います。
夏季や春季の休みを利用して、3週間から4週間の短期留学をする人もいます。ロシア連邦交流庁が募集するロシア語研修や、モスクワ大学はじめ各地の大学が行っているロシア語の短期研修プログラムでは、ロシアぐらしを体験しながら語学力アップが期待できます。
どんなプログラムがあるか、インターネットで調べたり先輩や先生に相談したりしましょう。
課外活動「ロシア語フェスタ」
毎年12月か1月の土曜日に行われる、ロシア語学習者のお祭りです。
外国語教育研究センタ―が主催し、法学部だけでなく理工学部や文学部、外国語教育研究センター特設科目の履修者も参加して、何かひとつずつ「ロシア語で」出し物をします。歌を歌ってもよし、漫才をやってもよし、クイズを出してもよし。OBや他大学の人が遊びに来たり、他の語学の先生が覗きに来たりする、楽しいイベントです。
ふだん顔を合わせることのない他学部の人や、先輩、後輩たちと「ロシア語つながり」で交流しましょう。
ロシア語って役に立つ?面白い?
ロシアに支店や工場を持つ日本企業は増えていますが、ロシアに関する知識を持った学生はまだまだ少なく、官公庁や企業で求められています。卒業生にも省庁や通信社,商社,貿易振興会などで働く人がいます。旧ソ連でも、まだまだ英語よりロシア語の方が通じます。
とにかく広くて多様なロシア、旅行すると楽しい国ですが、シベリア鉄道に乗ったり地方都市に行ったりすると英語は意外と通じません。ロシア語の看板が読めれば旅もしやすいでしょうし、現地の人とおしゃべりできますね。ロシアの奥深い文化に原語で触れるチャンス。ドストエフスキーをロシア語で読んだり、ロシア・オペラの歌詞が分かったりしたら素晴らしいですね!ネット上の情報交換が盛んなロシアの現代文化情報は、ロシア語で検索すると激増します。日本のアニメや文化に興味を持つ人もたくさんいるので、ロシア語での話題にも事欠きません。ロシア語の知識があると、実はウクライナ語やセルビア語,チェコ語やポーランド語など、ロシア語と親戚関係にある東欧の言語もかなり理解しやすくなります。
…まだまだありますが、それは始めてみれば分かります。
ロシア語の関連授業
日吉には「地域文化論ロシア」という授業があります。例年200人から400人の受講者があるので講義形式ですが、ロシアの地理と歴史を踏まえた文化論を話しています。ロシア語は使いませんが、ロシア語を学ぶ人なら知っておきたい基礎知識がぎゅっとつまった授業です。
三田には、人文科学研究会「ロシアの文化と社会」があります。これは超少人数のゼミで、ロシアの人文社会系の問題についてより深く知りたい、調べてみたい、という人のための授業です。3年生と4年生でこの研究会を履修し、卒業論文に相当する論文を執筆すると、副専攻「ロシアの文化と社会」の認定を申請することができます。